歯周病治療
気づかずに進行し
抜歯に繋がることがあります
歯周病(歯槽膿漏)とは
歯周病は、磨き残しや歯石(硬い汚れ)が原因で、歯の周囲の骨が溶けてしまう病気です。骨が溶けず、歯茎の炎症にとどまる場合は歯肉炎と呼ばれます。歯周病は慢性的な疾患であり、30歳を過ぎると徐々に増加します。症状が軽いため、気づかずに進行することがありますが、一度罹患すると完治が難しい場合があります。現代の医療では骨の再生療法は限られていますので、罹患を防ぐための予防が重要です。
歯周病を放置すると
全身疾患の引き金になることも
歯周病は全身の疾患とも深く関わっています。歯周病菌が血流に乗って全身を巡り、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化、糖尿病、低体重児出産などのリスクを高めると言われています。定期的なメンテナンスで口腔内を清潔に保つことは、全身の健康につながります。
- 脳梗塞のリスクが2.8倍
- 低体重児出産の危険性が7倍
- 糖尿病のリスクが2倍
- 心臓病のリスクが2.8倍
- 誤嚥性肺炎の危険性も増える
こんな症状はありませんか?
- 起床時に口の中のねばつきが気になる
- 歯がぐらついている
- 硬いものを噛むと痛みがある
- 口臭が気になるようになった
- 歯磨きをしている時に出血がある
- 歯と歯の間に隙間ができた気がする
上記のような症状が気になるようになったら、歯周病になっている可能性があります。
気になることがある方はお早めに歯科医院の受診をお勧めします。
歯周病の進行度
-
Step01
歯肉炎
歯ぐきが赤くなったり腫れたりするのが特徴ですが、痛みがないため多くの方が気づきません。この段階でセルフケアや歯科医院でのメンテナンスを続ければ、歯周病の進行を防ぐことができます。
-
Step02
軽度歯周炎
歯と歯ぐきの間にできる深い溝、「歯周ポケット」が特徴です。この溝に細菌が繁殖し、歯槽骨の吸収(破壊)が進行します。歯を磨くと出血することがあります。歯科医院で歯垢や歯石を丁寧に取り除き、適切なブラッシングを心掛けましょう。
-
Step03
中等度歯周炎
軽度から中等度の歯周炎では、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットが深くなることが特徴です。歯周ポケットには歯垢や歯石が多く付着し、炎症が進みます。歯槽骨の溶解や歯根膜の損傷により、歯がぐらつくことがあります。
-
Step04
重度歯周炎
歯槽骨の吸収が進んでいるため、歯がぐらつきや食事が難しくなる状態です。口臭が強くなったり、出血や膿がみられることもあります。放置すると歯が抜け落ちる可能性が高いため、歯周外科治療などで早めの対処が必要です。
当院で行う治療
歯石除去(スケーリング)
超音波の器具などを使って歯石を除去する治療です。歯周病にかかっている方やまだ健康な歯茎を持つ方にとって、必要な治療です。
歯垢は2〜3ヶ月で硬い歯石になりますので、定期的な除去が重要です。歯石は歯ブラシでは取り除けないため、専門の器具が必要です。歯石を放置すると、歯と歯茎が引き離され、歯周ポケットができ、歯茎の下の骨も溶けて歯周病につながります。歯周病の進行を防ぐためには、健康な方も歯周病を予防するためにこの治療が重要です。超音波の器具で治療するのが苦手な方や怖がりの方には、手作業での治療も選択肢としてあります。
歯周ポケット内の歯石除去(SRP)
歯周ポケット奥深くに溜まった歯石は、歯ブラシでは取り除けないので、専用の器具で除去する必要があります。除去時に痛みを感じる場合は、局所麻酔を行います。
症状が進んだ歯周病には歯周外科治療
初期の歯周病は、自己ケアやスケーリングなどの基本的な治療で改善が期待できます。しかし、症状が進行し、感染が歯の根に及んでしまった場合には、特別な歯周外科治療が必要です。歯周外科治療は、歯周ポケット内の歯石を取り除く治療法です。また、歯茎の形を整えたり、クラウンに適した形に整えたりする方法も含まれます。
歯周病は早期発見・早期治療が
重要な病気です
歯周病は再発のリスクが高く、セルフケアを怠るとすぐに歯茎の状態が悪化します。
そのため、治療後も定期的なケアが必要です。
1ヵ月から3ヶ月ごとに定期検診とクリーニングを受けることで予防でき、早期発見・早期治療につながります。